【4月6日 AFP】(一部更新、写真追加)北朝鮮が長距離ロケットを打ち上げたことを受け、国連(UN)安全保障理事会は5日午後(日本時間6日未明)、非公開の緊急会合を開催した。会合は約3時間に及んだが、具体的な合意には達しなかった。

 緊急会合は、北朝鮮がテポドン(Taepodong)2号ミサイルとみられる3段式のロケットを打ち上げたことを受け米国と日本が要求し、今月安保理の議長国をつとめているメキシコのクロード・ヘラー(Claude Heller)国連大使が招集していた。会合後ヘラー氏は、「安保理理事国は今後も協議を続けることで合意した」と述べた。

 スーザン・ライス(Susan Rice)米国連大使は会合前、記者団に対し、緊急会合は米国、日本、EUが「挑発的」としている今回の出来事について「一致した強い対応」で合意するための機会だと述べた。

 5日の打ち上げは、2006年に採択された安保理決議1718号に違反している。この決議は北朝鮮が2006年7月5日にミサイル発射、同年10月9日に核実験を行ったことを受け、北朝鮮に全ての核実験と弾道ミサイル発射をしないよう求めている。

 フランスのジャンモーリス・リペール(Jean-Maurice Ripert)国連大使は打ち上げを強く非難し、安保理が一致して今回の打ち上げを非難し、挑発的な国際法違反に対応することを期待すると述べた。米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領も訪問先のチェコ・プラハ(Prague)での演説で安保理に強い対応を求めた。

 しかし、共に安保理で拒否権を持つロシアと中国は抑制的な対応を求めている。中国の楊潔チ(Yang Jiechi)外相は、中国外交部のウェブサイトに掲載された声明で、「関係国は、状況の一段の緊迫化につながりかねない行動を避けるべき」と述べた。ロシアも5日の打ち上げが安保理決議違反にあたるか調査中だとしている。

 ニューヨークの複数の外交筋は西側諸国が北朝鮮に新たな制裁を提案した場合、中国とロシアはその阻止に動くだろうと述べている。しかし、ある匿名の西側外交官は、安保理は既存の制裁を再確認する決議あるいは拘束力のない声明を出す可能性があると述べた。

 複数の外交筋は文言が固まるまでは長時間の交渉が予想されると述べ、5日中に何らかの文書が出るかは不透明だと述べていた。(c)AFP

【参考】安保理決議第1718号和訳(外務省)