【2月25日 AFP】イランは25日、初の原子力発電所の試運転を開始した。イランは、国際的な制裁措置が行われる中、核開発を推し進めている。

 イランのゴラムレザ・アガザデ(Gholam Reza Aghazdeh)原子力庁長官は、ペルシャ湾沿岸のブシェール(Bushehr)にロシアが建設していた原子力発電所の完成を受け、同原発が数か月以内に発電可能になるとの見通しを示した。同原発の出力は100万キロワット。

 同原発では現在、包括的な試験が行われている。当局高官によると、試運転では、核燃料棒を用いずに「ダミーの燃料棒」を使用しているという。

 同施設を訪れていたロシア国営原子力企業「ロスアトム(Rosatom)」のセルゲイ・キリエンコ(Sergei Kiriyenko)総裁は、記者団に対し、「原子力発電所の建設は完了した。現在は試運転前の段階で、複雑な手順を複数行う」と述べた。

 国営イラン通信(IRNA)は24日、イラン・ロシア両国が、試運転前に開かれる式典で、同原発の稼働開始時期を発表すると伝えていた。

 アガザデ原子力庁長官は、国営テレビに対し「試運転やこれらの試験にかかる正確な日数はわからないが、数か月以内に原発を稼働させることができるだろう」と語り、「試運転が早く終われば、発電開始も早くに可能になる」と述べた。(c)AFP/Jay Deshmukh