【12月6日 AFP】海外に逃亡中だったタイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の元夫人が5日夜、タイに空路帰国した。タイ航空(Thai Airways International)の職員が語った。

 ポチャマン(Pojaman)元夫人(51)は、脱税罪で禁固3年の判決を受けたが、刑罰を逃れるため8月に英国に逃亡していた。

 タイ航空の職員によると、ポチャマン元夫人は、香港(Hong Kong)から旧姓で搭乗し、現地時間午後10時20分(日本時間6日0時20分)にバンコク(スワンナプーム、Suvarnabhumi)国際空港に到着した。

 空港では、タクシン氏の息子パントンテ(Pantongtae)氏や娘のPinthongta氏とともに、2日に憲法裁判所が解党を命じた、タクシン派で最大与党の国民の力党(People Power PartyPPP)の元議員らが、到着したポッチャマン元夫人を出迎えた。ポッチャマン元夫人と息子らは専用出口から空港を去ったという。

 ポッチャマン元夫人は7月に脱税で有罪判決を受けたが、控訴中に保釈され、8月にタクシン元首相とともに海外へ逃亡していた。11月には、32年間連れ添ったタクシン元首相と離婚したが、2人に近い関係者は、経済的な理由による「書類上の離婚」に過ぎず、2人が依然として仲良くしていると語っていた。また、11月に英国政府が2人の査証(ビザ)を取り消したため、2人は次の逃亡先を探していた。

 2001年に政権の座についたタクシン元首相は、06年に無血クーデターで失脚した後も、アラブ系のビジネス誌に対し、タイの政界に復帰したいとの考えを語っていた。

 国民の力党に対し解党が命じられ、タクシン元首相の義理の弟、ソムチャイ・ウォンサワット(Somchai Wongsawat)首相も、辞任に追い込まれている。(c)AFP