【11月5日 AFP】米大統領選投票日の4日、ケニア西部のコゲロ村(Kogelo)にある、バラク・オバマ(Barack Obama)候補の今は亡き父親の自宅には、親せき、友人一同が集まり、オバマ氏の勝利を祈念して牛1頭を屠(ほふ)る準備を進めている。

 オバマ家へ通じるほこりだらけのでこぼこ道は、目下ケニア政府により舗装工事が行われている。オバマ家に設置された巨大スクリーンの前に集まった村人たちは、時計を米国時間に合わせ、徹夜で開票速報を見守っている。

■キスムでは「模擬投票」

 一方、コゲロ村にほど近い西部の中心都市キスム(Kisumu)では4日、米大統領選の模擬投票が行われた。企画した2人のコメディアンが、段ボールの投票箱を抱え、オバマ氏を支持するスローガンを口ずさみながら、道行く人々に投票を呼びかけた。

 正午までに、約1500人が投票した。主催した「ミルトン・オボテ(Milton Obote、ウガンダのかつての独裁者)」を名乗るコメディアンの1人は、「結果がどうあれ、平和的に祝いたいという意図で企画した」と話す。

 模擬投票の開票は同日中に行われるが、オバマ候補がどうやらジョン・マケイン(John McCain)候補に圧勝しそうだという。

■マケイン候補に投票した人も

 マケイン候補への票も入っている。ニコラス・オコト(Nicolas Okoth)さんも、その一人。「白人はわれわれを援助し、植民地化し、教育とノウハウを授けてくれたから。オバマも支持しているが、2人に投票することはできないからね」と言って笑った。

 記憶に新しい前年12月27日のケニア大統領選後の混乱では、現職に敗れたライラ・オディンガ(Raila Odinga)候補の出身地であるキスムでも、暴力が吹き荒れた。そうした経緯もあり、多くの人が、模擬投票という「ジョーク」を楽しんだ。ドミニク・オニャンゴ(Dominic Onyango)さんは、「オバマは勝つだろう。(結果をめぐり混乱した)われわれのようにはならないはずだ」と話した。(c)AFP