【10月27日 AFP】(一部更新)イスラエルの中道右派カディマ(Kadima)党首のツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相は26日、組閣を断念し総選挙を前倒しで実施すると発表した。これにより、パレスチナとの和平交渉が今年中に合意される望みはさらに薄くなった。

 シモン・ペレス(Shimon Peres)大統領との会談後、リブニ外相は「国民に指導者を選んでもらう」と述べた。

 リブニ外相は前月、汚職疑惑を受け辞職したエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相の後任として、ペレス大統領に組閣を命じられていた。だが、ユダヤ教超正統派の宗教政党シャス(Shas)は24日、リブニ外相が同党の予算案ならびに、エルサレム(Jerusalem)の帰属問題をパレスチナと協議しないよう求めたことを拒否したことを理由に、連立政権への不参加を表明。組閣交渉は暗礁に乗り上げていた。

 総選挙の実施によりイスラエル政局の混乱は最低でもさらに3か月続くことになる。また、米国の仲介で前年11月に再開されたが、その後は難航している、中東和平交渉が頓挫する恐れも出てきた。(c)AFP/Ron Bousso