【10月10日 AFP】タイの高等裁判所は9日、政府の退陣を求め抗議行動を続ける「民主市民連合(People's Alliance for DemocracyPAD)」幹部らに対する政府への反逆容疑などを取り消した。不法集会と扇動の容疑についての逮捕状は取り消されなかった。

 逮捕されていたPAD幹部のチャムロン・シームアン(Chamlong Srimuang)元バンコク知事とチャイワット・シンスウォン(Chaiwat Sinsuwong)元工業相らは、10万バーツ(約29万円)の保釈金を支払い保釈され、8月末からPAD支持者らが占拠を続ける首相府へ戻った。

 7日には警官隊とデモ隊が衝突し、2人が死亡、478人が負傷。政府とPAD側との交渉は暗礁に乗り上げていた。今回の高裁の判断を受け、PAD幹部7人が警察への出頭を約束した。

 また、ソムチャイ・ウォンサワット(Somchai Wongsawat)首相は、死傷者を出した7日の衝突について、調査委員会を設置すると発表した。

 専門家によると、高裁の判断によって、反政府団体らの立場はより強固なものになったという。(c)AFP