【9月19日 AFP】米大統領選の共和党候補ジョン・マケイン(John McCain)上院議員がラジオ局とのインタビューでスペインの首相の名前を認識できず、ちぐはぐなやりとりをしたとして、政治批評家らのやり玉に挙げられている。

 マケイン氏はフロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)でのインタビューに出演した際、11月の本選で大統領に選ばれた暁には、北大西洋条約機構(NATO)の主要加盟国スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ(Jose Luis Rodriguez Zapatero)首相をホワイトハウスに招待するかと質問された。

 これに対し、マケイン氏は「米国の友人で米国に協力したいという首脳たちとは、喜んで会いたい」と答えた後、メキシコについて語り出した。

「ところで、メキシコの(フェリペ・)カルデロン(Felipe Calderon)大統領は、麻薬カルテルと非常に厳しい戦いを続けている。米国もメリダ(Merida)・イニシアティブを通じて、メキシコ政府の麻薬撲滅の努力に協力しており、これは喜ばしいことだ。こうした関係を前進させるためにも、できる限り多くの首脳をホワイトハウスに招きたい」

 再度、インタビュアーに、サパテロ首相はマケイン氏との会談を受け入れると思うかと質問されたマケイン氏は、「正直なところ、外交関係や時の情勢、優先度を考慮する必要があるが、友好国首脳とより緊密な関係を確立することは保証する。だが、米国に危害を加えようとするものには断固とした態度で臨む。わたしは、どちらの手段も把握している」と語った。

 こうしたマケイン氏の回答をラジオで聞いた批評家からは、マケイン氏はサパテロ首相を複数の中南米国家の首脳らと勘違いしたか、インタビュアーの質問を全く理解できていないとしか思えないとの疑問の声があがっている。

 しかし、マケイン陣営の外交政策担当、ランディー・シューネマン(Randy Scheunemann)氏は、こうした批判を否定する。

 シューネマン氏はAFPに対し、「インタビュアーは、マケイン氏にサパテロ首相と会う意志をくり返し尋ね、誰について話しているか明確にしており、マケイン氏も質問の対象を正確に把握していた」と文書で回答した。

 また、質問に対する回答については、「マケイン氏は(サパテロ首相との)ホワイトハウスでの会談の可能性について、否定も肯定もしていない」と説明した。

 2004年に発足したサパテロ政権は同年5月、イラクから駐留部隊を撤退させたため、米共和党政権との関係が冷却化している。サパテロ首相は3月の総選挙で勝利を収め、現在2期目を務めている。(c)AFP