【9月9日 AFP】北朝鮮は9日、建国60周年を迎えたが、首都・平壌(Pyongyang)で行われた予備役による記念軍事パレードに、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記(66)が出席しなかった。

 この報に先立ち韓国メディアが報じていた、総書記が前月体調を崩して倒れたという情報の信ぴょう性がさらに高まった。

 共同通信(Kyodo)が平壌からの情報として報じた内容によると、パレードへの各高官の出欠席は不明だが、金総書記は1998年や2003年のパレードの際と異なり公に姿を見せなかった。韓国統一省のある高官はAFPに対し、金総書記がこうした重要行事に出席しないことは極めて異例だと語った。

 金総書記は酒豪で過去には喫煙歴もあり、糖尿病と心臓疾患にかかっていることが知られている。

 韓国紙、朝鮮日報(Chosun Ilbo)は先に、在北京韓国大使館高官の匿名談話として、金総書記が8月22日に倒れたとの機密報告があったと報じていた。同紙では、情報源は中国筋で、真偽について大使館で調査中と伝えていた。

 共同通信によると、パレードは金日成広場(Kim Il-Sung Square)で行われ、約10万人が集まれる広い面積を平壌市民が埋め尽くしたという。対空砲や対戦車砲が登場したが、戦車やミサイルは披露されず、陸海空の正規軍も参加しなかった。(c)AFP/Simon Martin