【6月17日 AFP】欧州連合(EU)のハビエル・ソラナ(Javier Solana)共通外交・安全保障上級代表は16日、ルクセンブルク(Luxembourg)で開かれたEU外相理事会終了後に記者会見し、EUはイランに対する新たな制裁発動についての決断を先送りすると発表した。

 これに先立ち米国家安全保障会議(National Security CouncilNSC)のスティーブン・ハドリー(Stephen Hadley)事務局長は、EU外相理事会は16日にも対イラン制裁の発動を発表するとの見方を示していた。

 EUは5月末、新たな対イラン制裁発動を承認する用意があるとしていた。この制裁では、独ハンブルク(Hamburg)、仏パリ(Paris)、英ロンドン(London)にあるイランのメリ銀行(Bank Melli)支店の活動を凍結させることなどが主に盛り込まれている。

 制裁には承認が必要だが、ソラナ上級代表の広報官は、16日に決断はされなかったと述べた。

 EUは、ソラナ上級代表が14日にイランの首都テヘラン(Tehran)を訪問し提案した包括的見返り案に対するイラン政府の反応を「もう少し待つ」ことで一致した。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)常任理事国5か国にドイツを加えた6か国がまとめた今回の見返り案では、イランがウラン濃縮活動を停止すれば技術的・経済的支援を受けられるとしている。(c)AFP