【6月14日 AFP】日本の高村正彦(Masahiko Komura)外相、中国の楊潔チ(Yang Jiechi)外相、韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン、Yu Myung-Hwan)外交通商相は14日、都内で日中韓外相会談を開き、北朝鮮の核問題の終結とアフリカ支援で協力することなどで合意した。

 日中韓3か国の関係は何度も不安定になっているが、外相らは3か国の首脳会談を9月に日本で開催すると発表した。

 高村外相は記者団に対し、朝鮮半島の非核化を進めていくため、日中韓の協力態勢を強化することで合意したと明らかにした。

 また、アフリカ政策での協力に向けても対話を開始することで合意。日中韓の3か国は、アフリカとの通商・政治関係の強化を探っており、さらに地球温暖化対策でも協力関係を築きたいとしている。

 一方、発生から1か月となった中国・四川大地震と、同日朝に発生した岩手・宮城内陸地震の影響で、外相らは災害対策についても協議し、協力態勢を確立することで合意した。

 日中韓外相会談に先立ち、前日には日朝関係に緩和の兆しも見えた。北朝鮮政府は13日、拉致問題の解決に向け再調査を行うとの意向を示した。これに対し、北朝鮮に強硬姿勢をとる日本政府も、遅れが出ている北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議に弾みをつけるため、見返りとして対北朝鮮制裁措置を一部緩和すると言明した。

■中国にチベット政策の透明化求める

 別個に行った中国との2国間協議で、高村外相は楊外相に対し、チベット(Tibet)政策での透明性を高めるよう要請した。チベット自治区では今年3月、中国の統治に抗議し、大規模デモが起きている。

 日本政府の当局者によると、楊外相はこれに対し、「チベットは民族問題でも、宗教問題でも、人権問題でもない。国家の統一か崩壊かの問題だ」と述べたという。(c)AFP/Miwa Suzuki