【4月20日 AFP】(一部更新)世界各地で北京五輪の国際聖火リレーをめぐる混乱が続く中、ネパールの当局は20日、チベット支持者らによる抗議行動などに備えるため、エベレストに治安要員を配置したと発表した。

 ネパール内務省報道官は20日、AFPの取材に対し「中国が聖火を登頂へ運ぶ際の安全な通過を確保するために、エベレストの『キャンプ2』に軍兵士および警官25人を配置した」と語った。治安要員は登山経験を積んだ者たちで、すでに標高6500メートルにあるキャンプ2に到着したという。

 中国は北京五輪の聖火を5月1日から10日の間に、世界最高峰エベレストの頂上へ運ぶ計画。エベレストはネパールと中国のチベット(Tibet)自治区の双方にまたがっているが、北側のチベット側登山口では、私的な目的の入山はすべて禁じる予定だ。

 同報道官によると、エベレストに治安部隊が派遣されるのは今回が初めてだという。

 ネパール内務省のある高官はAFPに対し「ネパール国内ではいかなる反中抗議行動も認められない。エベレストの治安要員は反中抗議行動を阻止するためには発砲も辞さない」と述べたが、抗議行動参加者に直接発砲する許可が出ているかは明らかにしなかった。

 1959年にダライ・ラマがチベットから亡命して以来、ネパールにはチベット人の流入が続き、現在少なくとも2万人のチベット人がいるとみられている。また今も毎年約2500人がヒマラヤ(Himalayas)山脈を通り、ネパールに亡命している。(c)AFP