【4月10日 AFP】フランスのミシェル・アリヨマリ(Michele Alliot-Marie)内相は9日、パリジャン(Le Parisien)紙とのインタビューで、パリ(Paris)での北京五輪の聖火リレーが大混乱になったのは中国側の組織委員会の責任で、仏警察当局は技術的な支援をしただけだと語った。

 アリヨマリ内相は、「五輪の規約では、聖火を守るのは常に開催国の責任」とし、「パリでのリレー中も聖火に関する決定を行ったのは中国側で、バスへの避難についても中国側が決定した」と強調した。

 パリで7日に行われた聖火リレーでは、チベット(Tibet)暴動をめぐる中国政府の対応に抗議する人権擁護団体などによる妨害行為のため、聖火が5回消されるなど、走者はバスへの避難を余儀なくされた。

 内相によると、仏警察当局は聖火リレー中、通常の治安業務を担当していたが、走者を取り囲んで伴走する警護隊については中国側の責任だという。

 聖火リレーの走者を務めた柔道の元世界王者ダビッド・ドゥイエ(David Douillet)氏はラジオ・テレビ・ルクセンブルク(RTL)に対し、中国側の警護隊を「ロボット」「攻撃犬」と呼んで非難、「かれらは押したり、中国語で文句を言ったり侮辱したりする」と語った。

 英メディアは、2012年に開催されるロンドン五輪の組織委員会のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長が、中国側の警護隊を「チンピラ」と述べたと報じた。

 コー氏は、パリに先立ち6日に行われたロンドン(London)での聖火リレーについて、中国側の警護隊が「わたしを3回もルートから押し出そうとした」と明かし、仏の聖火リレー主催者は「警護隊を排除するべきだ」、「かれらはひどい。英語を話さなかったし、かれらはチンピラじゃないか」と訴えた。

 また、同じく走者を務めた英女性タレントのコニー・ハク(Konnie Huq)さんは、タイムズ(The Times)紙に対し、中国側の警護隊と英警官隊の間で「小競り合い」があったことを明らかにし、「かれらはまるでロボットのようで、『走れ』とか『止まれ』とか怒鳴って命令した。私は『かれらは一体誰なの』と思ったわ」と語った。(c)AFP