【3月4日 AFP】米大統領選挙の指名候補争いでは4日、テキサス(Texas)、オハイオ(Ohio)など4つの州で予備選挙が行われる。ここで指名候補がほぼ決定するのか、それとも争いはさらに今後へ持ち越されるのか。

 共和党に関しては、現時点で2位のマイク・ハッカビー(Mike Huckabee)元アーカンソー(Arkansas)州知事を大差でリードしているジョン・マケイン(John McCain)上院議員の勝利はほぼ確実といえよう。

 対する民主党はバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員とヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員との戦いが、混戦模様となっている。

 4日の民主党予備選は、上記2州に東部ロードアイランド(Rhode Island)とバーモント(Vermont)を加えた4州で、計370の代議員を奪い合う。得票数に応じて代議員数が分配されるため、クリントン氏かオバマ氏が全4州で勝利しても、指名獲得を決定づけるにはまだ不十分だ。

 AFPでは、指名候補選の行方を左右するテキサス、オハイオ両州を中心にいくつかのシナリオを作成し、選挙結果を予想した。

■シナリオ1:オバマ氏がテキサス、オハイオ両州を制す

 クリントン候補の夫のビル・クリントン(Bill Clinton)前米大統領は前月、クリントン候補が大統領を目指すにはテキサス、オハイオ両州での勝利が不可欠だと発言しており、オバマ候補の両州勝利はクリントン候補にとっては致命的と言える。

 クリントン候補の支持基盤の中核を成す労働者層の民主党支持者が多いオハイオ州は、同候補にとっては主要票田だ。クリントン候補はヒスパニック(ラティーノ)からも根強く支持されており、州人口の36%をヒスパニックが占めるテキサス州では勝利したいところだ。

 米政治専門サイトRealClearPolitics.comの調査では、オハイオの支持率はクリントン氏49%対オバマ氏43%で、クリントン氏が上回っている。一方、テキサスでの両氏の支持率は拮抗し、クリントン氏46.8%、オバマ氏46.5%とほぼ並んでいる。

■シナリオ2:クリントン氏がオハイオ、オバマ氏がテキサスを制す
 
 テキサスの指名候補選は、日中の予備選後、投票を行った者が参加する党員集会を夜間に行うという変則システムだ。

 オバマ氏の支持基盤である若者らが影響力を発揮できる党員集会は、アイオワ、コロラド、アイダホでオバマ氏に有利に働いたが、テキサスの変則的な選挙方式により、得票数ではクリントン氏がオバマ氏を上回り、獲得代議員数ではオバマ氏がクリントン氏を上回る可能性がある。

 ただし、テキサスの得票数でオバマ氏を上回れば、4月22日のペンシルベニアなど今後の選挙戦をクリントン氏が継続するときの拠り所となるだろう。

 一方、オバマ陣営はテキサスの全228代議員中、党員集会が決定する代議員数は64人にすぎないと指摘している。 

■シナリオ3:クリントン氏がオハイオ、テキサス両州を制す

 クリントン陣営は、オバマ氏がオハイオ、テキサスという重要州で負けた場合、これまで同氏を勝利に導いてきた「勢い」に歯止めがかかると予測する。

 この場合、すでにカリフォルニア(California)、ニューヨーク(New York)やニュージャージー(New Jersey)といった重要州でオバマ氏に勝利しているクリントン氏は、自信をもって次の戦いに踏み出すだろう。

 一方、クリントン氏がオハイオ、テキサス両州で勝利すれば、鼻高々のクリントン氏に対しメディアがクリントン叩きを再開する可能性もある。

 このシナリオどおりになれば、民主党の指名候補選の関心は、8月にコロラド(Colorado)州デンバー(Denver)で実施される党大会で自由意思で投票する特別代議員の795票の行方に集まるだろう。

 RealClearPoliticsによる3日午後8時半(GMT)現在の獲得代議員数では、オバマ氏1392人、クリントン氏1279人でオバマ氏がリードしている。(c)AFP