【3月4日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は3日、ウラン濃縮活動を続けるイランに対する追加制裁決議案を、賛成14、棄権1の圧倒的多数で採択した。

 今回採択された安保理決議1803は、英、仏、独が提出したもので、イランに対する3度目の制裁決議案となる。この決議案提出を進めていたのは安保理常任理事国5か国とドイツで、2006年に提案した経済・貿易面での見返りをあらためてちらつかせながら、イランのウラン濃縮活動停止を求めていた。

 この決議案に対しては、安保理理事国15か国のうち、リビア、南アフリカ、ベトナム、インドネシアが態度を保留していたが、結局、棄権したインドネシア以外は賛成にまわった。

 採択後、安保理常任理事国5か国とドイツを代表して、ジョン・ソワーズ(John Sawers)英国連大使が声明を発表。安保理決議1803は、イランの核開発計画による核兵器等の拡散に対する「深刻な懸念」を反映したもので、イラン政府に3度目となる「強いメッセージ」を送るものだとしている。

 決議には、イラン政府の核・ミサイル計画関係者の海外渡航全面禁止措置や、海外資産凍結の対象人物・団体の拡大などが盛り込まれている。

 また、船舶が輸出禁止物資を運搬している疑いがある場合は、臨検調査を行うように求めているほか、輸出信用を行うなどのイランに対する公的経済支援を行う場合も警戒するよう求めている。
 
 さらに、決議では「特にBank MelliBank Saderat、その支店・海外子会社など、イランに拠点を置くすべての銀行に」警戒するよう求めている。

 過去2回の対イラン制裁決議案は、06年12月と07年3月に安保理で全会一致で採択されている。(c)AFP/Gerard Aziakou