【2月28日 AFP】米大統領選の民主党候補指名を争うバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は26日、同じく民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員との討論会で、オバマ氏支持を表明した国内の強硬派イスラム団体「ネーション・オブ・イスラム(Nation of Islam)」の指導者ルイス・ファラカン(Louis Farrakhan)氏(74)の反ユダヤ的態度を批判し、イスラエルに対する自身の「断固たる支持」と米国内のユダヤ人コミュニティとのつながりを強調した。

 オバマ氏は、ファラカン氏が繰り返し行っている反イスラエルおよび反ユダヤ的発言は、「受け入れがたく非難されるべきだ」と批判した。クリントン氏との討論の中でオバマ氏は「彼の反ユダヤ発言には、きわめてはっきりと糾弾する態度をとってきた」と明言。ファラカン氏の支持を自分から求めたことはないと強調した。

 また、地元シカゴ(Chicago)で自身が影響を受けたキリスト教牧師が、ファラカン氏を評価した過去について質問されたオバマ氏は、「わたしはユダヤ人社会からも最強の支持を受けている」と反証に努め、「その理由は、わたしが断固としてイスラエルの友人であり続けてきたからだと思う。イスラエルは中東地域における最も重要な同盟相手であり、その安全保障は極めて重要だ」と述べた。

 一方、クリントン氏はネーション・オブ・イスラムに対し、自分は一貫した信念に基づいて選出州のニューヨーク(New York)で反対してきたとアピールした。また同団体は、クリントン氏自身が初当選した2000年の上院選でも反ユダヤ、反イスラエル的な指導者の下に動いていたと指摘。同団体を遠ざけることが選挙戦での不利となったとしても、「わたしはそうした挑発的で不誠実な非難を、イスラエルやわが国のユダヤ人に向ける人々とかかわるつもりはなかった」と述べた。
 
 クリントン氏はまたオバマ氏に、ファラカン氏に対して「糾弾」、では言葉が「弱すぎる」と批判、「拒絶」すべきだと主張した。

 これに対しオバマ氏は、ファラカン氏からの支持自体を拒絶することには意味がないと反論しつつ、「しかし、クリントン議員が『拒絶』という言葉のほうが『糾弾』よりも強いと感じるのならば、この点についてはクリントン氏の意見を喜んで受け入れたい。(ファラカン氏の反ユダヤ発言は)拒絶するし、糾弾する」と冗談交じりに答えた。(c)AFP