【2月15日 AFP】キューバのグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地のテロ容疑者収容施設で、容疑者らを尋問する様子がビデオ撮影されていたとする米法科大学院の調査報告書が14日、発表された。録画された尋問は、2万4000件以上にのぼるという。
 
 同報告書は、米シートンホール大学法科大学院(Seton Hall University School of Law)のマーク・デンボー(Mark Denbeaux)教授と学生らがまとめたもので、複数の公文書を調査した結果、米政府がグアンタナモでの尋問を記録していた新たな証拠を得たと主張している。

 その1つとして、2005年5月のケビン・カイリー(Kevin Kiley)陸軍軍医総監(当時)による内部文書に「すべての尋問はビデオに録画された」との記載があったと指摘。

 また、同年6月のランダル・シュミット(Randall Schmidt)中将の報告書にも、02-05年に同収容施設で2万4000回の尋問が行われたと記されていたとしている。

 デンボー教授らはこれらの記録を、収容施設内での尋問ビデオの撮影設備の存在を示唆するものと結論づけた。また、ビデオカメラは全尋問室に設置されており、部屋の外部からも全方向から監視されているとも指摘している。

 この調査報告書について、グアンタナモのリック・ハウプト(Rick Haupt)報道官はAFPの取材に、尋問の監視は行っているがビデオ撮影は義務ではなく、日常的に撮影を行っているわけではないとして、尋問ビデオの存在を否定。カイリー軍医総監の報告書は医学的見地からの見解であり、記述は「不正確」だとの認識を示した。(c)AFP