【1月18日 AFP】核問題をめぐり米イラン間の緊張が続くなか、米政府にイランとの直接対話を呼び掛ける米市民団体Enough Fear(「恐怖はもうたくさんだ」の意)は19日、両国の一般市民を電話でつなぐホットライン回線をニューヨーク(New York)市内の公園に設置すると発表した。

 Enough Fearは発表した声明文のなかで、ホットラインは「米国人とイラン人が重要な対話を交わすため」に、19日の午前11時から午後1時まで設置されると説明している。

 米・イランホットラインには、冷戦時代に米国とソ連の首脳間を結んだ「米ソホットライン」を思わせる赤色の旧式電話3台を使用する。

 Enough Fear共同設立者のNick Jehlen氏は、同団体の目的は「米国とイランの間で、個人レベルの直接対話を実現させることだ」と説明。

「米国とイラン政府間の対話が一向に開始される気配がないので、われわれ自身の手で対話を実現させようと考えた。互いをよく知ることが平和の実現につながる。知り合いを相手に戦争をするのは容易なことではなくなるからだ」(Jehlen氏)

 イラン側にも回線が引かれ、米国との直接対話を希望するイラン人たちが参加する予定だという。必要に応じて通訳も待機する。

「米国人の多くがイラン人は米国人に怒りを感じているという先入観を持っているが、数百人ものイラン人がホットラインに関心を示してくれた。彼らも米国人と対話したがっている証拠だ」とJehlen氏は期待を示す。

 米国は、イスラム革命直後の1980年にイランと国交を断絶。その後も、2国間の関係はイランの核開発計画に対し米国がウラン濃縮活動の中止を強く求めるなど、近年緊張状態が続いている。(c)AFP