【1月16日 AFP】2008年米国大統領選挙は、3日に最初の党員集会がアイオワ(Iowa)州で、8日に最初の予備選挙がニューハンプシャー(New Hampshire)州で行われ、党公認候補の指名争いが幕を開けた。

 以下に序盤戦の結果も交え、民主党各候補の横顔を紹介する。

■ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏(60)

 ニューヨーク(New York)州選出の上院議員。当選すれば、米国史上初の女性大統領となる。第2次世界大戦後、民主党で初めて2期(1993-2001年)を務めたビル・クリントン(Bill Clinton)第42代大統領の妻。元大統領夫人が自ら大統領に立候補するのも初めてとなる。イラク戦争の終結、国外における米国の威信回復、および医療保険制度改革を公約に掲げる。

 党公認候補指名争いの幕開けとなるアイオワ州党員集会ではまさかの3位だったが、ニューハンプシャー州予備選挙で勝利し、劇的な巻き返しを果たした。事前の世論調査ではバラク・オバマ(Barack Obama)氏に2けたの敗北を喫するとみられていたが、見事に予想を裏切った。

 アイオワ州での敗北により、本選を勝ち抜く力を疑問視する声が再浮上しているが、中央政界で長年戦ってきた経験から、共和党の「攻撃マシン」を倒すには最も適任だと反論している。

■バラク・オバマ氏(46)

 イリノイ(Illinois)州選出の上院議員1期目だが、人々に感動を与える話し方や、希望や政治浄化を訴えるメッセージは、民主党の伝説的大統領である故ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)氏と比較される。

 父はケニア人、母はカンザス(Kansas)州出身の米国人で、当選すれば米史上初の黒人大統領となる。

 当初からイラク戦争に反対し、2002年上院のイラク開戦決議でクリントン候補が賛成票を投じた点に焦点を当てて批判、同候補の判断力に疑問を投げかけている。早期に党員集会が開催され、今後の行方を占うことになるアイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ(South Carolina)州で、クリントン候補と接戦となっている。夫人のミシェル(Michelle Obama)さんは弁護士で、2人の幼い娘がいる。

 アイオワ州の党員集会では大勝利を収めたが、続くニューハンプシャー州の予備選挙では、最大のライバルであるクリントン氏に次なる大打撃を与えるというもくろみが外れた。

■ジョン・エドワーズ(John Edwards)氏(54)
 
 富豪で元法廷弁護士、民主党の元副大統領候補、元ノースカロライナ(North Carolina)州選出の上院議員。

 2004年の大統領選挙では、民主党の副大統領候補としてジョン・ケリー(John Kerry)元大統領候補とペアを組んだが、共和党ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)現大統領に敗北。前回選挙終了間もない頃から、2008年の大統領選に名乗りを上げている。

 夫人のエリザベス(Elizabeth Edwards)さんは不治のがんと闘っている。1996年、まだ十代だった息子ウェイド(Wade Edwards)さんを交通事故で亡くしたことをきっかけに、政治家に転身した。ポピュリズム(大衆主義)的な経済政策を掲げており、駐イラク米軍撤退を公約としている。

 アイオワ州では2位につけたが、この成績では、全国的な競争力がないとの懸念は静まりそうにない。ニューハンプシャー州で3位となった後では特に難しいと見られる。

■デニス・クシニッチ(Dennis Kucinich)氏(61)

 オハイオ(Ohio)州選出の下院議員で、派手な言動で知られる。イラク戦争を一貫して厳しく批判。当選の可能性は低いが、民主党左派を代弁している。

■マイク・グラベル(Mike Gravel)氏

 元アラスカ(Alaska)州選出の上院議員で、当選の望みは薄いが大胆な選挙戦を行っている。自身が登場し、カメラをじっと見つめたあとで湖に石を投げる不可解な選挙広告が有名。(c)AFP