【1月2日 AFP】(4日 写真追加、一部訂正)2008年米国大統領選挙で、各党の候補者を選出する予備選挙の幕開けとなるアイオワ(Iowa)州の党員集会が3日に開催される。

 以下に民主党各候補の横顔を紹介する。

■ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏(60)

 ニューヨーク(New York)州選出の上院議員。当選すれば、米国史上初の女性大統領となる。第2次世界大戦後初めて2期(1993-2001年)を務めたビル・クリントン(Bill Clinton)第42代大統領の妻で、元大統領夫人が自ら大統領に立候補するのも初めて。イラク戦争の終結、国外における米国の威信回復、および医療保険制度改革を公約として掲げている。

 全米調査ではほかの民主党候補をリードしているが、予備選序盤に投票が行われるアイオワ州およびニューハンプシャー(New Hampshire)州では、他候補との接戦が予想される。また、評価が二極化しており、共和党候補との本選での勝利が難しいという見方もある。

■バラク・オバマ(Barack Obama)氏(46)

 イリノイ(Illinois)州選出の上院議員1年生だが、人々に感動を与える話し方や、希望や政治浄化を訴えるメッセージは、民主党の伝説的大統領である故ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)氏と比較される。

 父はケニア人、母はカンザス(Kansas)州出身の米国人で、当選すれば米史上初の黒人大統領となる。

 当初からイラク戦争に反対し、2002年上院のイラク開戦決議でクリントン候補が賛成票を投じた点をに焦点を当てて批判、同候補の判断力に疑問を投げかけている。早期に党員集会が開催され、今後の行方を占うことになるアイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ(South Carolina)州で、クリントン候補と接戦となっている。夫人のミシェル・オバマ(Michelle Obama)さんは弁護士で、2人の幼い娘がいる。

■ジョン・エドワーズ(John Edwards)氏(54)
 
 富豪で元法廷弁護士、民主党の元副大統領候補、元上院議員。

 2004年の大統領選挙では、副大統領候補としてジョン・ケリー(John Kerry)元大統領候補と民主党ペアを組んだが、共和党ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)現大統領に敗北。前回選挙終了後、間もない頃から、2008年の大統領選に名乗りを上げている。アイオワ州で健闘すれば一躍有力候補に躍り出るが、資金集めに不審な点があることから、長期にわたる選挙戦でクリントン候補やオバマ候補に対抗していけるか、疑問視されている。

 エリザベス・エドワーズ(Elizabeth Edwards)夫人は不治のがんと闘っている。1996年、まだ十代だった息子Wadaさんを交通事故で亡くしたことをきっかけに政治家に転身した。ポピュリズム(大衆主義)的な経済政策を掲げており、また駐イラク米軍撤退を公約としている。

■ビル・リチャードソン(Bill Richardson)氏(60)

 ニューメキシコ(New Mexico)州知事で、クリントン政権ではエネルギー長官および国連(UN)大使を務めた。当選すれば米史上初のヒスパニック系大統領となるが、クリントン、オバマ、エドワーズの有力候補グループに遅れを取っている。

■クリストファー・ドッド(Christopher Dodd)氏(63)

 コネティカット州選出の上院議員で、強い影響力を持つ上院銀行住宅都市委員会の委員長を務める。父は、第2次世界大戦後のニュルンベルク裁判(Nuremberg Trials)で捜査主任を務めたトーマス・ドッド(Thomas Dodd)検察官。しかし、有権者の気持ちに訴えかけるような選挙戦を行えていない。

■ジョー・バイデン(Joe Biden)氏(65)

 上院外交委員会委員長。冗舌な語り口でよく知られているが、大統領選で本命視はされていない。1972年の議員当選直後に前妻と娘が交通事故で死亡したことを受け、デラウェア(Delaware)州からワシントンD.C.(Washington DC)まで毎日電車通勤している。

■デニス・クシニッチ(Dennis Kucinich)氏(61)

 オハイオ(Ohio)州選出の下院議員で、目立つ言動で知られる。イラク戦争を一貫して厳しく批判。当選の可能性は低いが、民主党左派を代弁している。2004年大統領選の際も最後まで選挙戦から撤退せず、わずかながら代議員票を振り分けられた。

■マイク・グラベル(Mike Gravel)氏

 元アラスカ(Alaska)州選出の上院議員で、当選の望みは薄いが大胆な選挙戦を行っている。自身が登場し、湖に石を投げる不可解な選挙広告が有名。(c)AFP