【12月5日 AFP】イランの核開発計画は2003年に中止されているとする報告を米国の情報筋が発表したことについて、イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は5日、「大きな勝利」だと宣言した。また、イランに核開発を停止させようとする西側の圧力には決して屈しないと強調した。

 米国家情報評価(National Intelligence EstimateNIE)によると、イランは核兵器開発を2003年に中止しているとされた。ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は、イランが積極的に核兵器製造に乗り出していると過去数年間主張してきたが、これと食い違う形となった。

 アフマディネジャド大統領はイーラーム(Ilam)州での集会で支持者らを前に「この報告書は、アメリカを袋小路から引きずり出すものであり、また列強に対するイラン人民の勝利宣言でもある」と演説し、「神の加護の下、われわれの民は抵抗してきた。いまも抵抗を続けており、これからも最後まで抵抗するだろう。あなたがたはすべての分野において、特に核について勝利したのだ」と述べた。

 さらに、次の50年以内に化石燃料が使い果たされたときにイランが核エネルギーを民生利用できないよう、敵国がイランから核を奪おうとしていると非難した。

 アフマディネジャド大統領はまた「敵側が友好的、協力的精神で臨む場合に限り」、核計画について西側と協議する用意がイランにはあると述べた。演説は国営テレビで生中継された。

■ロシア、イランを支持「03年以前の核兵器の開発情報ない」

 一方、中国と同様、イランに新たな国連制裁を課すことにこれまで消極的なロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、イラン政府にウラン濃縮活動を中止するよう、イラン高官との会合で働きかけた。

 プーチン大統領は4日、イランの核問題交渉責任者サイード・ジャリリ(Saeed Jalili)最高安全保障委員会(SNSC)事務局長との会談の際にイラン側を説得したと、インタファクス(Interfax)通信がセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相の発言として伝えた。

 ラブロフ外相はまた、2003年以前に核兵器開発を試みたことはないとするイラン側の主張を支持し、「米政府は主張し続けているが、2003年より前にそうした計画が存在したという情報はわれわれは得ていない」と述べた。

 アフマディネジャド大統領は演説の中で、「この国の中の一部の人間が敵と手を結び、敵が利するようわれわれに圧力をかけ、後退させようとしている」と述べ、イラン国内の自身の政敵に対する痛烈な攻撃も新たにした。同国の核問題をめぐりイラン政府に圧力をかける周辺に対し、同大統領は以前にも「裏切り者」と呼んで批判したことがある。(c)AFP/Stuart Williams