【12月2日 AFP】下院選挙の投票が行われているロシアで2日、複数の選挙監視団体が、選挙違反が行われていると報告した。今回の選挙は選挙運動期間中から与党「統一ロシア(United Russia)」寄りの偏向報道や、与党への投票を促す政府による圧力が問題とされていた。

 独立系選挙監視団体Golosの特別ホットラインを統括するGrigory Melkonyants氏によれば、職場で上司の監視のもと不在者投票を行うよう強要されたという例がロシア全土で特に多いという。

 同団体によると投票日当日にも、投票所の外に統一ロシアの巨大なポスターが掲示されていたり、複数の人間が1つの投票ブースに入ったりするなどの選挙違反が報告されている。

 統一ロシアに投票する見返りとして金銭を提示された例もある。Golosに情報を提供したある女性は「統一ロシアに投票したら300ルーブル(約1400円)あげる」と言われたという。

 今回の選挙では約数十万人が選挙を監視している。大半は、立候補者を出した政党11党が指名した人々だが、複数の国際機関から派遣された約400人の選挙監視員も活動している。

 日本時間3日午後6時には欧州会議議員会議(Parliamentary Assemblies of the Council of EuropePACE)と欧州安保協力機構(Organisation for Security and Cooperation in EuropeOSCE)が監視結果を発表することになっている。

 選挙運動期間中、PACE派遣団のLuc van den Brande代表は、監視員の行動が制限されたことと、選挙報道が統一ロシア一色だったことに懸念を示していた。

 国内の非政府組織は、報道が統一ロシアや同党の第1位候補ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に偏っていると指摘している。また、地方の首長の多くが統一ロシアの立候補者でもあるため、親プーチンの集会に動員をかけているとの報告もある。(c)AFP/Dario Thuburn