【11月25日 AFP】総選挙が1週間後に迫ったロシアの第2の都市サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で25日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に反対する無許可のデモ行進のために集まっていた野党支持者ら約200人が機動隊に拘束された。

 機動隊は極左政党「ナショナル・ボリシェビキ(National Bolsheviks)」の活動家7人らデモ参加者を警棒で殴打し車両に押し込んだ。

 野党ヤブロコ(Yabloko)地元代表を含め約50人が拘束された。ラジオ局「モスクワのこだま」によると野党・右派連合(Union of Right ForcesSPS)の地元代表2人も拘束されたという。

 また、野党代表で大統領選の候補者でもあるボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)氏が25日、許可なく政治活動を行ったとして機動隊に拘束された。

 1990年代、ボリス・エリツィン大統領時代に副首相を務めた同氏は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の最有力対抗馬とされる。同氏は機動隊員2人に拘束されたが、2時間後に解放されたという。

 警察は24時間前にも首都モスクワ(Moscow)で2000人規模の同じく反大統領デモを解散させ、元チェス世界王者の野党指導者ガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)氏を拘束していた。同氏は24日午後に禁固5日の判決を受けた。

 同氏が率いる「もうひとつのロシア(Other Russia)」連合は、クレムリンの腐敗や反対意見の抑圧、12月2日の総選挙での選挙違反などを糾弾している。

 プーチン大統領は3月の大統領選後辞任するが、統一ロシア(United Russia)の筆頭候補として今回の総選挙に出馬を表明している。同党の獲得議席は全議席の少なくとも3分の2に上るとみられている。

 大統領は26日にサンクトペテルブルクを訪問する予定で、警察は反体制派の取締りを強化している。

 憲法では大統領の2回以上の連続再選が禁止されているが、支持者からは大統領の続投を求める声が高まっている。(c)AFP/Marina Koreneva