【11月18日 AFP】(一部更新)セルビア南部のコソボ(Kosovo)自治州で行われた同州独立の行方を占う議会選挙(120議席)は18日、コソボ独立を強硬に主張する野党コソボ民主党(Democratic Party of KosovoPDK)の元ゲリラ運動指導者ハシム・サチ(Hashim Thaci)党首(39)が勝利宣言した。

 非公式の投票集計で35%の票を獲得したサチ氏は集まった数千人の支持者を前に、「われわれの勝利、そしてコソボの勝利を導いた人々に感謝する。コソボ市民は、コソボがヨーロッパに加盟する用意のある民主主義国家だと世界に示した。最も強いメッセージはコソボが独立の準備ができているということだ。わが政府はコソボ社会の問題すべてに取り組む。わたしは今夜から自分の使命を果たしていく」と述べた。

 サチ氏は元コソボ解放軍(Kosovo Liberation ArmyKLA)の指導者。同氏は、「首相となり、コソボの人民のために最善を尽くす」と述べた。

 これに先立ち、10の非政府組織によって構成される独立選挙監視機関Democracy In Actionが発表した投票集計によると、ファトゥミル・セイディウ大統領率いる与党コソボ民主同盟(LDK)は23%の支持率で2位につけている。同機関によると、開票率が70%を超えた時点での誤差の範囲は1%だという。

 今回の選挙は、セルビアからの独立を訴えるコソボ自治州の最終地位を決定する国際会議を目前に控えて実施された。アルバニア系人口が9割を占めるコソボとセルビアの首脳会談は、3日後にブリュッセル(Brussels)で開始される。交渉は難航しているが、12月10日までに結論を出すことが求められている。

 サチ氏は投票開始前のAFPの取材に対し、「12月10日をもって、コソボを独立主権国家とする決断を下す」と語った。

 PDKの議席数は過半数に届く見込みが低く、大連立政権発足の可能性がささやかれている。

 サチ氏は、1990年代の旧ユーゴスラビア支配下で学生運動に参加し、イブラヒム・ルゴバ(Ibrahim Rugova)元大統領の平和的アプローチに異を唱え、KLAに加わった。その後PDKを設立する支援をしてからは、穏健な人物としてのイメージを打ち出している。

 同氏は、元KLA司令官アギム・チェク(Agim Ceku)首相の後任となる。チェク首相は今回の選挙に立候補していなかった。

 投票率は2004年の51%を下回り、45%と予測されている。1998-1999年のコソボ自治州での紛争以来3度目となる今回の選挙の公式結果は、次週発表される。(c)AFP/David Vujanovic