【11月14日 AFP】自宅軟禁から抜け出して潜伏していたパキスタンの国民的英雄である元クリケット選手、イムラン・カーン(Imran Khan)氏が14日、東部ラホール(Lahore)の大学でペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領の非常事態宣言に抗議する学生集会に現れ、警察に再び身柄を拘束された。

 逃走後、公の場に初めて姿を見せたカーン氏は、大学のキャンパスで行われた学生による抗議デモに参加しようとしたところ、イスラム教徒の学生らにつかまれ、身動きできなくなった。混乱に乗じてカーン氏は抗議に参加する学生たちの肩に乗せられ、群衆たちによって建物内へ連れ込まれた後、白いバンの中に押し込まれた。身柄は後に警察に引き渡された。

 留置場からAFPの電話取材に答えたカーン氏は、「わたしは独裁者ムシャラフと彼の違法行為に抗議する学生集会を率いるためにあの大学へ行った」と述べ、「目的は達成した。学生運動に火をつけた」と語った。

 自身を拘束した学生たちについては、「パンジャブ大学(Punjab University)当局に“協力”した学生たちに裏切られた。彼らはわたしを事務所へ連れ込んだ後、バンに乗せるために外へ連れ出した。わたしが逮捕される場面を公衆に見せないようにした」と述べた。

 カーン氏は小規模の野党の創設者で、ムシャラフ大統領が11月3日に非常事態宣言を発令した後、国家反逆罪で同大統領を絞首刑に処すべきだと発言した。

 警察によるとカーン氏は再び、自宅軟禁下に置かれるという。管轄区のRana Mansoor警察所長は、「彼は現在、留置所におり、90日間の拘置下にある。治安維持法の一環としての命令だ」と述べた。

 カーン氏が抗議集会へ登場した背景では、非常事態宣言に対する反対が高まっており、ベナジール・ブット(Benazir Bhutto)元首相がムシャラフ大統領に抗議する共同戦線を組織しようと試みており、その中にカーン氏も挙がっていた。(c)AFP/Rana Jawad