【11月2日 AFP】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の米国首席代表クリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補は1日、訪問先の北京(Beijing)から韓国に到着後、空港で記者会見し、北朝鮮は恒久平和に向け、備蓄しているすべての核開発資材を放棄する必要があると改めて強調した。

 北朝鮮の核施設無能力化について、ヒル国務次官補は「試合は始まったばかり」とし、「われわれが求めているのは、無能力化から解体へ、そしてすべての分離プルトニウムを廃棄することだ」と強調した。

 北朝鮮側は2月に行われた6か国協議の合意に基づき、約半世紀にわたって開発してきた核施設を、今年中に無能力化すると表明している。

 一方、6か国協議の交渉団は、交渉が難しくなるのは2008年に入ってからと指摘している。北朝鮮側は核施設の解体およびプルトニウムや兵器の放棄について、米国との関係正常化および恒久的な平和条約の締結を条件としている。

 ヒル国務次官補は、朝鮮戦争(1950-53)終了後に締結された休戦協定に替わる平和条約の協議は、無能力化の完了後に開始する可能性があることを明らかにしたが、「北朝鮮の非核化が完了しなければ、いかなる平和条約も締結することはない」との方針を示した。


■米専門家チームが平壌に到着

 同日、北朝鮮核問題をめぐる6か国協議の合意に基づき、核施設の無能力化を監督する米専門家チームが、平壌(Pyongyang)に到着した。この後、寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)の核施設に向かう。

 9人の専門家チームを率いるソン・キム(Sung Kim)米国務省朝鮮部長は、経由地の北京で記者団に対し、「寧辺到着後すぐ、うまくいけば来週早々にでも作業に着手したい」と語った。

 これまで4年以上にわたり行われてきた6か国協議は紆余(うよ)曲折を経てきたが、ようやく北朝鮮の核施設無能力化が目前となった。(c)AFP