【10月17日 AFP】ミャンマーの国営紙「ミャンマーの新しい灯(New Light of Myanmar)」は17日、前月に発生した一連の反政府デモに対する政府側の武力弾圧が発生した責任は、デモを主導した仏教僧たちにあると非難する軍事政権の声明を発表した。

 同紙は、「僧侶らが僧院での修行に専念し、政治犯の釈放を求めたりしなければ、武力で市民を鎮圧するような事態には至らなかった」と僧侶らを非難する軍政側のコメントを掲載した。

 また、デモに関連し国内各地で逮捕されたのは2927人で、このうち468人が現在も拘束中だと報じた。国営通信はこれに先立ち、逮捕者数は2100人としていた。

 同国最大の都市ヤンゴン(Yangon)で発生した9月のデモは、ミャンマーで社会的尊敬を受ける僧侶らが開始し、10万人規模へと拡大した。1988年に学生が主導した民主化要求デモ以来の最大の危機を迎えた軍事政権は、デモ隊を武力で鎮圧。少なくとも13人が死亡し、政府は国際社会から厳しい非難を浴びている。

 国連安保理(UNSC)は前週、ミャンマー軍事政権の反政府デモへの武力行使に対し「強い遺憾の意」を表明するとともに、同国の全政治犯の早期釈放を促す議長声明を採択したが、同紙によると、治安当局による市民らの逮捕は現在も続いているという。これについて同紙は、「事情聴取のためで、釈放されるべき人物はじきに釈放される」と説明している。

 被拘束者には民主化活動の指導者6人も含まれており、アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)などの国際人権団体は、拷問などの人権侵害が行われる恐れがあると憂慮している。(c)AFP