【10月11日 AFP】第17回中国共産党大会を次週に控え、中国当局が反体制派の取り締まり強化している。

 中国の人権問題を監視するChinese Human Rights Defendersや人権活動家などが11日明らかにしたところによると、警察はここ数日間で多数の反体制活動家の身柄を拘束したり、自宅に軟禁したりしているという。

 北京を中心に活躍する著名な人権活動家の胡佳(Hu Jia)氏がAFPの電話インタビューで語ったところによると、党大会を前に人権活動家や反体制的な人物に対する当局の締め付けが一段と厳しくなっている。当局による逮捕や暴力行為が行われているほか、胡氏自身も公安当局の監視下にあり、インタビューの最中も自宅の周囲で当局者十数人に見張られているという。

 このほか、公正な選挙や汚職撲滅を求める運動を行っていた中国中部湖北(Hubei)省の元議員、姚立法(Yao Lifa)氏と呂邦列(Lu Banglie)氏の行方が、数日前からわからなくなっている。

 姚氏の友人の話では、地元警察が1日、姚氏の身柄を拘束したというが、地元当局は法規により事実は明かせないとしている。

 Chinese Human Rights Defendersによると、2人は歯に衣着せぬ言動で以前から当局に目をつけられていた。呂氏は地元で汚職や選挙における不正行為の撲滅運動を主導。また、姚氏が2006年に発行した独立系候補に対する当局の迫害を暴露した書籍は発禁処分となっている。

 人権監視団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)の指摘によると、2008年8月の北京オリンピックおよび2009年10月の建国60周年を前に、中国政府が目指す「和諧社会」の実現のためとして、北京当局や北京オリンピック組織委員会などが治安活動強化の意向を明らかにしている。

 5年に1度開催される党大会では、国家5か年計画を策定するほか、2012年の任期が終わる胡錦濤(Hu Jintao)国家主席の後継者が明らかになる可能性もある。 (c)AFP/Robert J. Saiget