【10月11日 AFP】ロシア訪問中のニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領との会談を終えたウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領は10日、「イランが核兵器の開発を行っているとは思えない」として、欧米側によるイランへの圧力には同調しない考えを示した。

 仏露関係の緊張緩和を模索するサルコジ大統領との会談を終えたプーチン大統領は、「イランが核兵器を開発しているという情報はない。イランに核開発計画はないという前提に基づいて我々は行動する」と記者団に対して言明。イランをめぐる東西の立場の違いを浮き彫りにした。

 一方で、ロシアがイラン国内に建造中の民生用原子力発電所については「透明性が必要だ」とし、欧米側の意向を理解している考えも示した。

 欧米側はこれまで、ロシアが支援する民生用の核計画を隠れみのにイランが核兵器を秘密裏に開発していると非難。対するロシア政府は疑惑を否定し、イランを支援する立場を取っている。国連安保理の議決権を持つロシアはこれまで、イランに核開発の停止を迫る制裁決議案の採択に難色を示している。

 一方、プーチン大統領との会談を終えたサルコジ大統領は「プーチン大統領の意向は重要だ」としながらも「分析に違いがあるかもしれない」と発言。9日夜の夕食会後にサルコジ大統領が示唆した「立場が近づいた」という兆候は見られないようだ。(c)AFP/Philippe Alfroy