【9月21日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は20日、国営フランス2(France 2)と民放TF1のテレビ・インタビューに応じ、イラン核問題とトルコの欧州連合(EU)加盟問題について自身の考えを述べた。

■「イランとの戦争は望まない」

 イラン核問題については、「(イランは)核兵器の獲得に動いている」と指摘した上で「容認できない」と非難した。

 一方でサルコジ大統領は「イラン核問題は非常に難しい問題だが、フランスはイランとの戦争を望まない」と強調。対イラン関係における16日の、「最悪の事態に備えねばならない。最悪の事態とは戦争だ」とのベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)仏外相の発言とは距離を置いた。

 サルコジ大統領は、レバノンとスーダンのダルフール(Darfur)地方の紛争解決へ向けたクシュネル外相の努力を称賛する一方で、「わたしなら戦争という言葉は使用しない。外相も自身のコメントを補足している」と話した。

 クシュネル外相は自身の「戦争発言」について、文脈と切り離してとらえられていると主張、20日には核問題をめぐりイラン訪問の用意があるとの考えを示している。

■「トルコは欧州の一部ではない」

 トルコのEU加盟問題については、「トルコは欧州ではなくアジアの一部だ」とする持論を再度提示し、加盟承認に改めて難色を示した。

 その上でサルコジ大統領は「トルコには欧州との統合ではなく真の協力関係を提供したい」と語った。同大統領は最近、トルコのEU加盟反対の立場を和らげたとみられている。

 フランス政府は、今後20年間にわたるEUの将来について「賢人会議」を設置し、その場でトルコの加盟も含めて議論するよう提案したが、EU諸国は態度を明確にしていない。 

 トルコはEUへの加盟協議を2005年10月に開始したが、35の政策分野のうち既に協議が始まったのは4項目にとどまっている。EUに加盟するためには、全35分野の協議を完了せねばならない。(c)AFP