【8月3日 AFP】米議会上院は2日、ロビイストによる議員への便宜供与を制限する政治倫理法案を本会議で可決した。

■「歴史的」な政治倫理改革

 法案は、議員がロビイストから贈り物を受け取ったり便宜供与を受けることを規制する内容。また、議員が退任直後にロビイストに転身することも制限している。

 前年、米国を揺るがした与党共和党系の大物ロビイストの汚職疑惑をうけて提出された法案の可決を、議会多数派の野党民主党は「歴史的にも画期的な法案」と称賛する。

 民主党のハリー・リード(Harry Reid)上院院内総務は、同法案について「史上最も抜本的な政治倫理改革」と評価。法案の目的を「良識ある米国民を代表するのにふさわしい、誠実な政府を構築するため」と説明した。

「共和党政権下の6年間、首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)ではびこってきた政治家の汚職に国民はうんざりしている」(リード院内総務)

 民主党は「政治倫理」を最重要公約としてきた経緯がある。

■ホワイトハウスからは不満

 一方、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権(共和党)からは同法案に対する苦言も聞かれる。

 同法案は、議員らが自身の選挙区や支持母体に有利な利益誘導型予算案を提出する際にも事前公表を義務づけているが、政府はこれでは不十分だとして同法案への不満を表明。

 トニー・スノー(Tony Snow)大統領報道官は「(同法案の)表現は弱過ぎるし、事前発表義務もないに等しい」とコメントしている。(c)AFP