【7月17日 AFP】汚職容疑の渦中にあったフェリサ・ミチェリ(Felisa Miceli)経済生産相が16日午前、辞任を表明した。これをうけアルゼンチン政府は同日、Miguel Peirano氏(40)を後任にとする人事を発表した。Peirano氏は17日に正式に経済生産相に就任する。

 経済専門家として知られるPeirano氏は、エデゥアルド・ドゥアルデ(Eduardo Duhalde)大統領時代(2002-2003年)に入閣を果たし、2003年12月、経済生産次官を務めた。

 辞任したミチェリ元経済生産相は、前月、事務所のトイレから裏金とみられる現金6万4000ドル(約780万円)が発見されたとの新聞報道を機に、野党から辞任を求められていた。

 野党側はミチェリ氏が少なくとも数回にわたって賄賂を受け取っていたうえ、証拠隠滅と虚偽証言の疑いがあると主張。政府が立件しない場合は最高裁の介入を要求するとの強硬姿勢を示していた。

 これに対し、ミチェリ氏は今月初頭、容疑を否認し、現金は自身と実業家の兄のもので、住宅購入資金の頭金だと説明していた。さらに、事件は2007年10月28日に行われる大統領選をにらんだでっち上げだとした。

 しかし検察当局による捜査開始をうけ、ミチェリ元経済生産相は16日午前中に事務所広報を通じて辞任を表明した。

 大統領選にはネストル・キルチネル(Nestor Kirchner)現大統領の夫人が出馬を表明している。(c)AFP