【6月22日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領と訪米中のグエン・ミン・チェット(Nguyen Minh Triet)ベトナム国家主席(大統領)が22日、首脳会談を行う。

 ベトナム戦争後、ベトナムの国家元首による米国訪問は初めて。

 米国が敗北を喫したベトナム戦争から30年以上が経過。かつては敵対関係にあった両国も、21日には自由貿易協定(FTA)を前提とした貿易投資枠組み協定(TIFA)に調印するなど、めざましい関係改善を見せている。

 しかし、チェット主席は21日に行われた米議員らとの非公式会談で早速、人権問題に関する厳しい意見を浴びせられた。

 議会関係者によると、ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が率いる超党派議員団は、ベトナム政府が反体制派、宗教活動家、民主運動家らを弾圧しているとの議題に終始したという。

 また、上院議員団も同日、米越首脳会談に先立ち、「チェット主席との会談では人権問題を最優先するように」との内容の書簡をブッシュ大統領に送っている。米越関係が順調な進展を見せるなか、ベトナム政府に人権尊重や信仰の自由の保証を求めるべきというのが同議員団の主張だ。

 米上院議員らの報告によると、共産党一党支配のベトナムでは最近も、反体制家、人権活動家、労働団体幹部や作家など30人以上が逮捕されているという。(c)AFP