【3月10日 AFP】アフリカ中西部ナイジェリアのプラトー(Plateau)州のジョナー・ジャン(Jonah Jang)知事は9日、同州内で7日に発生した数百人が殺害されたとされるキリスト教徒の襲撃事件について、事前の警告を無視したとして、軍司令官らを非難した。

 ジャン知事によると、同知事は武装集団が近隣州からプラトー州に入り、襲撃を受けたキリスト教徒の村周辺で目撃されたとの情報を6日午後9時に入手し、軍司令官らに警告した。その際、軍司令官は部隊を派遣すると語ったという。

 ジャン知事の自宅は、襲撃があった村の1つから約5キロの場所にあるが、その自宅前を1台の戦車が通過していったため、同知事はキリスト教徒の村に向かったものだと思っていた。

 ところが、その3時間後、ジャン知事はキリスト教徒の村が襲撃されているとの報告を受けたという。「司令官らと連絡を取ろうとしたが、まったくつかまえることができなかった」

 ジャン知事は、軍部の過失がなければ、襲撃は避けることができたはずだと指摘した。

 地元当局者によると、襲撃されたのは3つの村のキリスト教徒が多数を占めるベロム(Berom)族で、500人以上がなたやおの、短刀などで襲われ殺害されたという。死者数については、警察当局は55人と発表し、人権団体や地元メディアは200~400人と報じている。

 襲撃の生存者は、当局は襲撃を防ぐことはしなかったと証言している。

 プラトー州では1月、キリスト教徒によるイスラム教徒の襲撃事件が起き、少なくとも326人が死亡した。(c)AFP