【2月8日 AFP】国民性が「侵食」されることを憂えたクロアチアの司祭が、流行に乗らず新生児に伝統的な名前を付けた両親たちに、報奨金の支払いを申し出た。4日、現地日刊紙ユタルニ・リスト(Jutarnji List)が報じた。

 話題となっているのは、同国南部の港湾都市プロチェ(Ploce)のカトリック教会のペタール・ミキッチ(Petar Mikic)司祭。自分の教会の入り口に「子どもの洗礼の際、祖父母や聖者にちなんだ名前を付けた両親に1000クーナ(約1万6000円)を差し上げます」と書いた告知を貼った。

 このメッセージに続き、下には「アンテ(Ante)」や「ぺタール(Petar)」、「アナ(Ana)」、「マリヤ(Marija)」といった「伝統的な」クロアチア人の名前約80個が推薦されている。

 ぺタール司祭はユタルニ・リストの取材に対し「クロアチアらしさが薄められ、消えることのないよう、守らなければならない。自分がどの国に属しているのかを最もよく理解できるのは名前を通じてだ。子どもたちにクロアチアらしい名前をつけることを、わたしたちの祖先も誇りに思うだろう」と述べた。(c)AFP