【9月3日 AFP】スウェーデンの新聞がイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を掲載したことについて、イスラム教団体は2日、これを非難する一方、ムハンマドのメッセージに関する知識を広める活動を開始すると発表した。

 イスラム教団体「Global Programme for Introducing the Prophet of Mercy(慈悲深い預言者を紹介する世界計画)」のAdel bin Ali Sheddi代表は、風刺画掲載が「13億人超のイスラム教徒の尊厳に対する目に余る攻撃」だと非難した。

 この団体は、サウジアラビアの首都リヤド(Riyadh)を拠点としており、同政府の支援を受けたイスラム世界連盟(Muslim World LeagueMWL)の関連団体。この連盟はサウジアラビアの聖地メッカ(Mecca)に本部がある。

 国営サウジ通信(SPA)が運営する同団体の公式サイトwww.prophet-of-mercy.comには、イスラム教徒に対し預言者ムハンマド支持では「実際的で賢明な態度」をとり、風刺画非難は自制するよう呼びかける声明が発表されている。

 Sheddi代表は、今後同団体がスウェーデンを含む世界各国の主要なメディアや学術団体1万5000以上と接触し、預言者の「真のメッセージ」を説明する用意があることを明らかにした。

 スウェーデンの地方紙Nerikes Allehandaは8月18日付けの紙面で、自己検閲制度と表現の自由、信教の自由に関する社説の挿絵としてイヌの体にムハンマドの頭が載っている風刺画を掲載した。

 イランとパキスタンの両国はスウェーデンの大使を召喚して抗議したほか、世界56か国とパレスチナ解放機構(PLO)が加盟するイスラム諸国会議機構(Organization of The Islamic ConferenceOIC)もまた、非難を表明している。

 2006年にはデンマーク最大の日刊紙が預言者ムハンマドの風刺画を掲載してイスラム諸国から激しい非難を浴び、一部の国では抗議行動で死者まで出る騒動となった。(c)AFP