【3月6日 AFP】オーストラリア当局が観光業促進のために実施し大きな話題を呼んだ「世界一素晴らしい仕事」キャンペーンが帰ってきた。このたび募集されるのは「主任ひょうきん者」「味覚マスター」「荒野の冒険者」など、6つの職業だ。

 同キャンペーンは、若者層への宣伝効果を狙ったもの。オーストラリアを訪れる若者は年間160万人に上り、旅行者全体の26%を占め、観光業に120億豪ドル(約1兆1400億円)の経済効果をもたらしている。

 2009年に行われた同様のキャンペーンでは、英国人男性のベン・サウスオール(Ben Southall)さんが、世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)に浮かぶ絵に描いたように完璧な島の管理人に選ばれ、給料を受け取りながら6か月間をこの島で過ごした。

 今回募集される6つの仕事は、それぞれ異なる州で提供されるが、6か月間の報酬は一律で10万豪ドル(約950万円)に設定されている。

 応募できるのは18~30歳の外国人旅行者で、オーストラリアのワーキングホリデービザを受給できる英国、米国、フランス、香港、台湾、韓国、日本の出身者に限られる。

 オーストラリア政府観光局(Tourism Australia)のアンドリュー・マケボイ(Andrew McEvoy)局長は、今回のキャンペーンで若い旅行者の遊び心と冒険心に訴えたいと語る。「このコンテストは、世界中の若い人々をオーストラリア旅行に引きつけるだけでなく、オーストラリア全土で人員が不足している観光業界での仕事に引きつける絶好の場となるでしょう」

「主任ひょうきん者」の職はニューサウスウェールズ(New South Wales)州で募集され、シドニー(Sydney)のVIPとなって祭事やイベントへの出席と評価付けや、マイクロブログのツイッター(Twitter)を使った発信を行うもの。

「味覚マスター」はウエスタンオーストラリア(Western Australia)州での募集で、高級レストランやワイナリー、ビール醸造所やパブを巡る。「荒野の冒険者」は北部特別地域(Northern Territory)で、ワーキングホリデー向けの最高の体験を発掘する仕事だ。

 募集される仕事はこのほか、クイーンズランド(Queensland)州の公園管理者、ビクトリア(Victoria)州の「ライフスタイル写真家」や、サウスオーストラリア(South Australia)州を徒歩やカヤック、自転車やボートを使って移動して回る野生生物管理人がある。

 2009年に「世界一素晴らしい仕事」を勝ち取ったサウスオールさんは、この経験で人生が変わったと語る。「ダイビングをするのか、スカイダイビング、料理、あるいはハイキングをするのかも分からなかったけど、結局全部やることになった。その先がどうなるかは分からなくても、とにかく試してみるべきものの1つだ」

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