【8月24日 AFP】英大衆紙サン(The Sun)は24日、英王室の掲載自粛要請を無視し、米メディアが前日伝えた全裸ではしゃぐ英国のヘンリー王子の写真を「王位継承者、ここにあり」の見出しと共に一面に掲載した。「読者には(写真を)見る権利がある」と主張している。

 問題の写真は、英王室の王位継承順位第3位のヘンリー王子が米ラスベガス(Las Vegas)のホテルのスイートルームで全裸になってふざけている2枚。焦点はぼけているが、1枚は全裸のヘンリー王子が同じく全裸の友人に後ろから抱きついており、もう1枚は手で股間を隠して立っている。

 英王室は既に22日、英報道苦情委員会(Press Complaints CommissionPCC)にプライバシー侵害を申し立て、英メディアが写真を掲載することのないよう要請。これを受けて翌23日の英各紙は、大衆紙ミラー(The Mirror)が「ヘンリー、裸でらんちき騒ぎ」、同デーリー・メール(Daily Mail)が「ヘンリーの全裸フォト、宮殿はお冠」など、トップニュースで扱いつつも実物写真の掲載は見合わせていた。

 サン紙もこの日は実物写真の代わりに、自社の記者が王子に扮して状況を説明する写真に「王冠の宝石(crown jewels)を握るヘンリー」(crown jewelsは男性器を指す隠語)の見出しをつけて掲載していた。

 ただ、実際には写真はインターネット上で広まっていた。

 一夜明けて実物写真の掲載に踏み切ったサン紙は、「本紙読者たちが印刷媒体で見ることができずにいたヘンリー王子の裸のパーティー写真を、サンは掲載する」と声明を発表。「彼(ヘンリー)は時に危うい火遊びに近づく。しかし、彼は27歳で独身の兵士だ」「サンは彼が好きだ。われわれがこの写真を掲載するのは、サンの読者には写真を見る権利があると考えるからだ。この理由は、今回の記事にとどまらない」と続けた。

 デーリー・メール紙によると、ヘンリー王子の父親チャールズ皇太子(Prince Charles)の代理人は、たとえ問題の写真をインターネット上で自由に見ることが可能であっても、英各紙が写真を掲載した場合には「プライバシー関連法を軽視した」として訴訟を起こす用意があると警告している。(c)AFP