【8月21日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者(41)は、ロンドン(London)のエクアドル大使館の中で、コンピューターで仕事をこなし、ルームランナーで運動し、電子レンジで調理をしながら忙しくしているようだ。友人たちが語った。

 1年以上にわたって自宅軟禁下のアサンジ容疑者を自宅に住ませた元陸軍士官のボーガン・スミス(Vaughan Smith)氏は、大使館内の設備は必要最低限だが十分に快適な環境だと語る。

「監房よりはもちろんいいさ」とスミス氏はAFPに語った。「というのも、1番の理由はコンピューターとインターネットを使えるからだ。仕事ができる、ということが彼の最大の関心事だからね」

 アサンジ容疑者は、性犯罪容疑での取り調べを要求するスウェーデンに移送されるのを回避するため、6月19日に政治亡命を求めてエクアドル大使館を訪れて以降、同大使館を離れていない。

 エクアドルは16日、アサンジ容疑者の亡命を認めた。だが、英国が同容疑者の安全な出国を保証することを拒否しているため、アサンジ容疑者は、外交的なにらみ合いが続く中、エクアドル大使館内に残り続けている。

■「元ハッカーにしては整理整頓された部屋」

 先週アサンジ容疑者のもとを訪問したスミス氏によれば、アサンジ容疑者の部屋には運動用のルームランナーやシャワー、食料を温めるための電子レンジなどがあった。

「台所の設備は基本的なものしかない」とスミス氏。大使館そばには高級百貨店のハロッズ(Harrods)があるが、そこでアサンジ容疑者が食料を調達しているということはないだろうとスミス氏は笑い、「彼は自分の食費は自腹で払ってるだろうし、贅沢できるような金は持ってないよ」と語った。

 アサンジ容疑者は小さな室内を事務所と生活空間に分け、「私が覚えてる彼よりもずっときれいに整頓していた」という。「元ハッカーにしては上出来」とスミス氏は笑った。

■不便な生活環境は手慣れたもの?

 19日に大使館のバルコニーに現れて数百人規模の支持者らを前に演説したアサンジ容疑者は、健康そうな様子だった。報道によれば、アサンジ容疑者は大使館内に閉じ込められている間、座って太陽灯を浴びているという。

 ウィキリークス広報のクリスティン・フランソン(Kristinn Hrafnsson)氏は、AFPの電話取材に対し、「彼は過酷な環境下で生活することに不慣れではない」と語った。

 ウィキリークス創設後、アサンジ容疑者は世界中の都市から都市へと移動し、友人の家のソファで眠ることも多かった。「それに大使館の敷地内なら歩くことができる。調子は良さそうだ」とフランソン氏は説明した。(c)AFP/Katy Lee