【3月9日 AFP】インドネシアの国会が、性犯罪を誘発するとして、ミニスカートなどの「挑発的な」衣服の着用を女性議員に禁じる規則を作ることを検討していることが明らかになった。

 マルズキ・アリー(Marzuki Alie)国会議長は「性犯罪などの不道徳な行為が多発しているのは、女性が適切な服装をしていないからだ」と述べた。「女性の不適切な服装は男性を興奮させるので禁止する必要がある。男がどんな生き物かご存知でしょう。不適切な服装は男を行動に走らせる」

 地元メディアの報道によれば、ファッションモデル出身の女性議員2人もこの動きに賛成しているという。

■女性団体は反発

 インドネシアの女性権利団体はこの発表に激しく反発し、性犯罪の被害者を悪者にする規則導入の撤回を求めた。

「影響力のある政治家の口から、またこのような発言が出たことにあきれている」と、性犯罪から女性を守ろうとしている団体「Action for Women Against Rape」の設立者Chika Noya氏は語った。「女性の服装を非難するのではなく、女性を暴力から守る規制を作るべき」

 6か月前には首都ジャカルタ(Jakarta)のファウジ・ボウォ(Fauzi Bowo)知事も、市営ミニバスで性犯罪が多発しているのは服装が原因だとして、女性に公共交通機関でのミニスカートの着用を控えるよう発言して批判された。

 同知事の発言に対する抗議行動は、カナダのトロント(Toronto)で始まった「スラットウォーク(SlutWalk)」運動に触発され行われた。「スラットウォーク」は2011年4月、トロントの警察官が「性犯罪被害を避けるため、女性たちは、ふしだら(スラット)な服装をすべきではない」と発言したことに何百人もが抗議したことによって始まった。(c)AFP

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