【2月26日 Relaxnews】高級レストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」は呪縛なのだろうか。

 英ロンドン(London)にある有名料理店のシェフが、ミシュランでひとつ星を獲得したためにあれこれうるさく言われるようになり、やっていられないという理由で店を辞めたことが前週報じられ、ミシュランの格付けに対する批判が聞かれるようになっている。例えば「自己満足で閉鎖的な料理界」と「ばかなシェフ」や「うぬぼれ者」が、「うんざりするほど凝りすぎの料理」を作っているといった具合だ。

 オーストラリア人シェフ、スカイ・ギンジェル(Skye Gyngell)さんが腕をふるっていた「ピーターシャム・ナースリーズ・カフェ(Petersham Nurseries Café)」は、マドンナ(Madonna)やミック・ジャガー(Mick Jagger)、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)といったスターやセレブ御用達の店。しかし温室をそのまま使った店内は、床は地面で、椅子は安定が悪く、トイレは納屋風の質素な食堂といった風情で、ミシュランで星を獲得する典型のような恭しいレストランに比べるとかなり異色だ。

 この料理店がひとつ星を獲得し、ミシュランを見て訪れ始めた客からギンジェルさんは、苦情や文句を嫌というほど聞いた。娯楽誌グッド・ウィークエンド(Good Weekend)とのインタビューでギンジェルさんは、ミシュランの格付けは「呪縛」だと語った。

 ミシュランで星を獲得したら、代わりにシェフが辞めてしまったというニュースは、料理評論家やコラムニスト、その読者周辺のグルメ界でちょっとした騒ぎとなっている。

 中でも容赦なくミシュランを酷評したのはテレグラフ(Telegraph)紙に掲載されたライターのジョナサン・ミーズ(Jonathan Meades)氏の記事で、料理界の中でもとりわけ「おべっかとごますりばかりのサービス、あきれるほど値段が高く、うんざりするほど凝りすぎの料理、小うるさくて仰々しく、自分のことを哲学者だと勘違いしているばかげたシェフが集まっている・・・自己満足で閉鎖的な世界」と、ミシュランの格付けを罵倒している。

 この記事には157件のコメントが寄せられただけでなく、ツイッターでもリンクが広まった。「高級料理は、気難しいナルシストのシェフたちによって、地に落ちてしまったね」など、ほとんどはミーズ氏に賛成する意見だったが、中には「それはそうかもしれないけれど、ミシュランの星のついていないレストランから適当に選ぶよりも、星のあるレストランから選ぶほうが必ず美味しい食事ができる」といった、ミシュランを控えめに弁護する意見もあった。(c)Relaxnews/AFPBB News