【1月19日 AFP】ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences)は17日、シベリア(Siberia)の永久凍土層で発見されたバクテリアに老化を遅らせる効果がある可能性が、マウスの実験で示されたとする研究成果を発表した。

 同アカデミーによると、このバクテリアは、地球上で最も極寒の居住地であるロシア極東ヤクチア(Yakutia)地方で先ごろ発見され、「バシリウスF(Bacillius F)」と名付けられた。

 たんぱく質などの要素の特性から判断すると、類似のバクテリアより300万年も進化が遅れており、さらには摂氏5度という低温で繁殖することができるという。

 「このバクテリアは永久凍土の中でも存続できていることから、生存能力を保持するメカニズムが備わっているのではないかと考えました」と、上級科学研究員のNadezhda Mironova氏は言う。

■バクテリアを注入すると長生き

 そこで、研究チームは、このバクテリアをマウスに注入して経過を観察した。

 すると、マウスの代謝作用は20~30%向上し、自然の防御能は加齢と共に強化されていった。老化による失明を減らせる可能性も示された。一方、腫瘍の出現を防ぐ効果はみられなかったという。

 結果的に、バクテリアを注入したマウスは、注入しなかったマウスよりも長生きした。

 研究チームは、実験で使用したマウスの数には触れず、結果の信頼性を高めるためにさらなる動物実験が必要だとした。だが、今回の実験で「目覚ましい結果が得られた」と強調している。(c)AFP