【9月15日 AFP】米国人は歴史的に長い欧州とのつながりを大切にしているが、近年深まっているアジアとの関係をより重視する人が増えていることが、世論調査で明らかになった。アジアの国々の存在感の高まりが、グローバルな地政学を様変わりさせている。

 ドイツ・マーシャル基金(German Marshall Fund)が行った米国人と欧州人の相互に対する態度に関する調査で、欧州連合(EU)加盟国の回答者の52%は、自国の利益にとって最も重要な関係は、米国との関係だと考えていた。

 対照的に米国では51%の回答者が、日本や中国、韓国といったアジア諸国との関係がEU諸国との関係よりも優先されると考えていた。

 大西洋を挟む米国と欧州の関係に、アジアの台頭が与えている影響を政策立案者たちが評価する材料として行われた調査だが、米国では若年層が特にアジアを重要視していることが示され、18~24歳の米国人回答者のうち4人に3人が、米国の国益にとって欧州よりもアジアが重要と答えた。64歳より高齢の米国人では、同じ回答は4人に1人だった。

 マーシャル基金ではこの調査結果について、特に欧州系のルーツや、冷戦時代の同盟関係からくるポジティブな連想を必ずしも持たない若年層の米国人を中心に、欧州は今一度、米国でのイメージアップに努める必要があると結論づけている。

 回答者の国籍は、米国とEU加盟国中12か国(ブルガリア、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、英国)。(c)AFP