【2月15日 AFP】南アフリカの格安航空会社クルラ航空(Kulula Air)は13日、「ロボラ」と呼ばれるアフリカの伝統に則り、ウィリアム英王子(Prince William)と結婚するケイト・ミドルトン(Kate Middleton)さんの家族に牛数頭を贈りたいという意向を示した。

 同社の広報担当は声明を発表し、「ウィル(ウィリアム王子は)長年、南アフリカの大ファンであり、わたしたちも彼と未来の花嫁の大ファンである。どれほどの準備がなされても(ポロの準備は言うに及ばず)、ロボラの伝統の本当の素晴らしさについて王子がお考えになったことはないだろう。お2人の幸せな日をさらに特別なものにするために、私たちの手に入る最高の牛をお贈りできることは何にも勝って喜ばしい」と述べた。

「ロボラ」は花婿が花嫁の家族に象徴的な対価を支払う、アフリカ南部の婚姻習慣で、牛を贈るのが伝統的だ。クルラ航空によると牛は英国で調達し、ミドルトン家の承諾を待って、バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)へ送ると言う。

 またフェースブック(Facebook)のクルラ航空のページ(kulula.com)では、贈り物として適当なサイズなどについて南アフリカ国民の意見を聞くコーナーも設けている。

 ウィリアム王子は、絶滅が危惧される動物の保護や、地方部の貧困軽減を目指すプロジェクトを運営する団体「タスク・トラスト(Tusk Trust)」を後援する王室メンバーとして、頻繁に南アフリカを訪れている。クルラ航空では特別割引を提供し、新婚旅行で南アフリカを再訪してもらえるよう王子を説得したいとも意気込んでいる。

 南アフリカ国内で同社は「図々しい」宣伝戦略で知られる。サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)が行われた昨年、大会前に、「『言わなくても分かるあの大会の』非公式航空会社」という宣伝コピーを打ち出し、「便乗商法だ」と国際サッカー連盟(FIFA)を激怒させた。(c)AFP