【10月8日 AFP】「踊る客室乗務員」で話題となったフィリピンの格安航空会社セブ・パシフィック航空(Cebu Pacific)が8日、性差別だとの批判を受けて、今度は男性の客室乗務員による「踊る」フライトを行った。

 旅客機の離陸前に客室乗務員が機内で行う緊急時の安全ガイダンスで、米歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)のヒット曲「ジャスト・ダンス(Just Dance)」をBGMに、女性客室乗務員がノリノリで踊りながらガイダンスする動画が今週初頭、ユーチューブ(YouTube)で大きな話題となった。その一方で、多数の抗議も殺到したという。

 8日朝のフライトでは、80年代のニューウェーブグループ「メン・ウィズアウト・ハッツ(Men Without Hats)」の楽曲『セーフティー・ダンス(Safety Dance)』にあわせて、男性客室乗務員たちが踊りながらガイダンスを行った。

 同機に乗り合わせた2児の母親の女性は、ビデオカメラを取り出して撮影し、「まあまあだったわ。うとうとしかけてたけど目が覚めた。子どもたちにも見せるつもり」とAFPに語った。

 フライトに同乗したセブ・パシフィック航空のCandice Iyog副社長(マーケティング担当)はAFPの取材に、来週中に「踊る」フライトを続行するかどうかを決定すると語った。

 副社長は、「全般的に反応は非常に良かった」と述べ、踊る客室乗務員に対する批判を退けた。また、「乗務員たちはこの活動を楽しんでやっている」と語った。

 とはいえ、誰もがセブ・パシフィック航空の奇策を歓迎しているわけではない。国会議員の一部や、フラッグキャリアーであるフィリピン航空(Philippine AirlinesPAL)の組合は、女性の品位を汚すものだと不快感を示している。

 女性政党「ガブリエラ(Gabriela)」は、同航空の取り組みを「宣伝のための安っぽい仕掛け」と呼び、「性差別と男性優位主義を広めている」と批判した。

 ちなみに、一風変わった安全ガイダンスで乗客の目を引こうとするのはセブ・パシフィック航空が初めてではない。ニュージーランド航空(Air New Zealand)は2009年6月、裸体に制服のボディーペイントをした客室乗務員やパイロットが乗客に安全情報を案内する「セーフティービデオ」を機内で放映し、話題を呼んでいる。(c)AFP


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