【7月1日 AFP】かつて米外交の「ロック・スター」と言われたコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)前米国務長官が、今月末に行われるチャリティーコンサートで、ソウル歌手のアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)さんと共演する。コンサート主催者が6月30日に発表した。

 思いもよらない組み合わせとなった2人が出演するのは、27日にペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)のマン・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ(Mann Center for the Performing Arts)が、スラム街の子どもたちを支援するプログラムのために行うチャリティーコンサート。

 ライス氏のピアノ伴奏に合わせ、フランクリンさんが「ナチュラル・ウーマン(Natural Woman)」や「小さな願い(I Say a Little Prayer)」などの名曲を歌う。また、フランクリンのニューアルバム「A Woman Falling Out of Love」の収録曲も一緒に披露するという。

 ライス氏はそのほか、モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の曲を演奏し、フィラデルフィア交響楽団(Philadelphia Orchestra)と珍しい20分間のコラボレーションを行う。

 チェリストのヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)など著名音楽家と共演したことのあるライス氏のピアニストとしての腕前はプロ並みだが、現代音楽を演奏することは一般的には知られていない。

 2人の政治観はまったく違う。フランクリンさんは、バラク・オバマ(Barack Obam)大統領の就任式で歌うほど忠実な民主党支持者だが、根っからの共和党員であるライス氏は8年間続いたジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権で国務長官を務め、政権の支柱となった。

 しかし、フランクリンさんは米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)に対し、コンサートでは政治的見解の違いは脇に置いておくと話した。「ライス氏は熟練したクラシックピアニストで、私がアリアを歌うようになってから一緒に何かできるといいなと思っていた。チャリティーのための超党派的な何かを」(c)AFP