【4月1日 AFP】エープリルフールの1日、英国各紙では、空飛ぶ自動車整備士、味のする紙面、首相を悪党に見立てた選挙ポスターなど、毎年恒例の「ウソのニュース」が紙面をにぎわせた。

 大衆紙デーリー・メール(Daily Mail)は、故障車の緊急修理などのロードサービスを提供する英自動車協会(Automobile AssociationAA)が、ジェット装置を背負った整備士が渋滞の上空を飛行して救援依頼者の元へ急行する「ロケットマン」サービスを新たに開始したと報道した。見出しはAAをもじって「Airborne Association(空挺部隊協会)」となっている。

 大衆紙サン(Sun)は、世界で初めて「味のする紙面」の開発に成功したと報じた。紙面には「ここをなめてください」と説明書きの付いた四角い図形を掲載し、「われわれの紙面を試し、どんな味がするか想像してください」と読者を誘っている。

 手の込んだ「ウソ」を報じたのは高級紙ガーディアン(Guardian)だ。5月実施が有力視される総選挙向けのポスターで、与党労働党(Labour Party)がゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相の「凶悪性」をテーマにする予定だとして、2種類のポスター案を「スクープ」した。

 ポスターは、怒鳴り顔の首相の写真の横に「表へ出な、気取り屋さんよ」とのせりふが記された1枚と、にやりと笑う首相が「年金から何十億もせしめてやった。文句あるか?」としゃべっている1枚。同紙は、「ブラウン陣営は、政治に無関心になりつつある有権者の関心を喚起するためには、出血や骨折をともなう殴り合いのケンカが選挙活動中にぼっ発することが望ましいとする消費者グループの意見を採り入れたようだ」と伝えている。(c)AFP