【2月6日 AFP】米国生まれの2頭のパンダが5日、特別機で中国四川(Sichuan)省に到着した。  到着したのは4年半前にワシントンD.C.(Wasihngton D.C.)のスミソニアン国立動物園(Smithsonian National Zoo)で生まれたオスのタイシャン(Tai Shan、泰山)と、3年前にアトランタ動物園(Atlanta Zoo)で生まれたメスのメイラン(Mei Lan、美蘭)。当初はそれぞれ2歳になった時点で中国に返還されることになっていたが、期限が延長されていた。  中国のテレビ局は、米バージニア(Virginia)州のダレス国際空港(Dulles International Airport)から2頭を運んできた米輸送大手フェデックス(FedEx)の特別機「フェデックス・パンダ・エクスプレス(FedEx Panda Express)」が四川省の省都、成都(Chengdu)の空港に到着する模様を生中継した。  このパンダのイラストが塗装されたボーイング777(Boeing 777)型機から特別製のケージが運び出されると、積み込まれた75キロのササをパンダが食べる様子を撮影しようと、大勢のカメラマンが押し寄せた。  このところ米中関係は、インターネット検索大手グーグル(Google)の検閲問題や台湾への米国製武器売却をめぐり緊張が高まっているが、在中国米大使館は、2頭のパンダは米中関係において特別な地位を占めているというデイビッド・ブラウン(David Brown)在成都米国総領事の声明を発表した。中国は冷戦時代から巨額のレンタル料を受け取ってパンダを貸し出す「パンダ外交」を展開してきた。  2頭は今後、中国のパンダ繁殖計画に加えられる。メイランにふさわしいお婿さんを一般の人が投票できるウェブサイトも出来ているが、彼女の気に入るオスがいなければ人工授精に切り替えるという。  また、米国生まれのパンダたちが中国人飼育員の指示を理解できるよう、タイシャンが暮らすことになる四川省の臥龍(Wolong)パンダ保護研究センターでは、英語を話せる職員が米国の飼育員と協力して飼育にあたることになっている。(c)AFP/Susan Stumme