【11月25日 AFP】発展途上国の児童養護施設で暮らす子どもの多くは、少なくともどちらか一方の親が生存している――。英国を拠点とする国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」が24日に発表した報告書の中で明らかになった。

 報告書によると、児童養護施設では800万人以上の子どもが生活しているが、そのほとんどが両親が死亡したからではなく、貧困を理由に施設に送られているという。

 また、施設に住む子どもの多くが、虐待やネグレクト(育児放棄)、搾取、国際人身売買の危険にさらされていると指摘している。特に3歳未満の幼児が最も危険性が高いという。

 報告書は、児童養護施設で暮らす子どもたちは両親がいないから施設に入っているということを「神話の1つ」だと指摘。単に両親が子どもたちの衣食を満たせなかったり、教育を受けさせることができないのが理由だとしている。

 児童養護施設で暮らす子どもたちのうち、少なくとも5人に4人はどちらかの親が生存しており、これは中東欧地域の98%に匹敵する高さだという。

 報告書では、子どもの養育を困難にしている貧困に対し、対策を行うよう求めている。さらに、家庭における養育支援や児童保護制度の改革、児童養護施設の厳格な監視などを提言している。(c)AFP