【10月10日 AFP】気候変動に関する協議のためにロシア・モスクワ(Moscow)を訪問していた英国のエドワード・ミリバンド(Edward Miliband)エネルギー・気候変動相にとって今週、うれしい驚きがあった。生放送のラジオ番組出演中に、長らく音信不通だった親族の女性が電話をかけてきたのだ。

 ミリバンド氏は7日、ラジオ局「モスクワのこだま(Ekho Moskvy)」の番組に出演し、聴取者からの質問を電話で受けていた。すると、電話口に現れた87歳の女性が突然ロシア語で、「私はソフィア・ダビドブナ・ミリバンド(Sofia Davidovna Miliband)、ただ1人残されたあなたの親族です」と語ったのだ。

 ラジオ局は最初いたずらと判断し、ソフィアさんからの電話を短めに切り上げた。しかし、通訳を介して話すうちに、ミリバンド氏の高祖父(祖父の祖父)とソフィアさんの祖父が兄弟で、2人ともポーランド・ワルシャワ(Warsaw)のユダヤ人街で生まれたことが分かった。

 ミリバンド氏の祖父は1920年代、ナチスからの迫害を逃れるために、偽装書類を使ってベルギーに出国した後、英国にたどり着いた。一方、ソフィアさん側の家族はモスクワへと向かったが、ミリバンド氏側の家族はそれを知るよしもなかった。

 英国大使や招待客を後に残してソフィアさんに会いに走ったミリバンド氏はBBCのラジオに対し、今回の対面は「とても感動的で素晴らしい」体験で「ソフィアさんは驚くべき女性」だと語った。

 ミリバンド氏は子どもの頃からソフィアさんの存在をおぼろげながら知っていたという。ソフィアさんは若い頃、イラン学の専門家として活躍していた。エドワード・ミリバンド氏はデービッド・ミリバンド(David Miliband)英外相の弟。(c)AFP