【8月25日 AFP】バターたっぷりのフランス料理を褒めたたえた料理本が、出版から48年を経て、米国で思いも寄らぬベストセラーになっている。

 肥満や心臓病の不安を打ち消さんと、米国の料理愛好家たちが飛びついているのは、故ジュリア・チャイルド(Julia Child)さんのフランス料理本『Mastering the Art of French Cooking(フランス料理の極意)』だ。

 健康意識が高まった米国の台所ではタブーとなったバター、ガチョウの脂肪、ベーコンなどうまみの深い素材を使用したレシピが満載だ。

 シモーヌ・ベック(Simone Beck)さんとLouisette Bertholleさんとの共著で1961年に出版されたこの本が、今月30日付けのニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によるベストセラーリストで、「アドバイス・ハウツー」部門のトップに登場しそうだ。

 同紙によれば、この1週間で2万2000部が売れた。この数字は出版から現在までのどの年間販売数よりも多いという。

 同紙はこの大ヒットの原因を、最近公開された映画『Julie and Julia(ジュリー・アンド・ジュリア)』のおかげだと分析している。料理に目覚めたチャイルドさんと、同書にレシピが掲載されている料理を全部作ろうと挑戦する現代の1人のブロガーの話が描かれた作品だ。

 チャイルドさんは2004年に91歳で死去したが、このフランス料理本の大ヒットに驚いてはいないかもしれない。タイムズ紙によると「あら、バターは決してあなたを傷つけないのよ」と言うのが、チャイルドさんは好きだったという。(c)AFP